拝啓 デニス・テン様
あなたがこの世からいなくなって今日でちょうど1年が経ちました。
1年経った今でもあなたがこの世にいないという事実を受け入れる事は出来ないでいます。
1年前は起こった出来事の衝撃の強さと悲しさと犯人への憤りで感情の整理もできないし、亡くなったという実感もないまま呆然とした気持ちが続いていました。
それに言葉がうまく出てこず、言語化するのに時間がかかっていました。
でも…
Instagramの動画やTwitterでファンの方がアップしてる写真などで在りし日のあなたの楽しそうな笑顔や、試合とはまた違ったチャーミングな素顔を見る度にもうこの笑顔を見る事は出来ないのか、テンくんにしか魅せられない素敵な演技をもう見られないという悲しい事実が時間差でのしかかってきました。
正直に言うと、生きている時はアイスショーや上海ワールドで生で見た事はあったとはいえ、独特の世界観があって素敵で凄い選手と漠然とは感じていたけどあまり魅力に気づかないままでいたというのもあって。
亡くなってから過去の動画を巡るうちにこんなに素敵な演技をする選手だったのかと改めて気付かされました。
我ながらこんな形で沼にハマるなんて凄く皮肉で切ないです。魅力にやっと気づいたと思ったらもうあなたがこの世にいないなんて、こんな悲しい事があるでしょうか。
こんな事ならカザフスタンのショーを観に行けば良かった。
こんな事ならPIWの日光公演も観に行けば良かった。
こんな事なら生きているうちにもっと力を入れて注目して応援すればよかった。
こんな事なら、こんな事なら。と何度後悔しても悔やみきれません。
テンくん、ごめんね。
しかし、いくら悲しんだり後悔しても過去は戻ることはできません。
亡くなってもテンくんの魅力は消えないし、こんな素敵な選手がいたんだ、というのは絶対に忘れないでおこうと思います。というか、忘れることは絶対にできません。
テンくん、ありがとう。
あなたがいない世界はとても寂しいけれど、これからもフィギュア界をお空から見守ってください。
いつかカザフに行って絶対お花をあげに行くからね。待っててね。